パイパー戦闘団・部隊序列


"DUEL IN THE MIST"シリーズを基に再考しました。
実は"DUEL IN THE MIST2"によると、パイパー戦闘団に配備された車輛についての正確なリストは存在しないようです。なので、各書籍は、当時のドイツ軍の戦時編成表(”Kriegstärkenachweisungen”通称"KStN")や、残存写真、米軍の記録、目撃者や参加者の証言などによって類推されたものであるので、書籍(というか筆者)によって、微妙に違いがあります。("DUEL IN THE MIST"シリーズでも食い違いが見受けられる)
なので、このページの内容は、それら参考文献を基に私個人の推察を加えたもので必ずしも正しいとは限りません。


装甲先遣隊 ※1
 パンター×2 (車輛No.1?? 122)
 IV号戦車×5 (車輛No.614 623 612 631 725)
 SS第1戦車連隊第9(工兵)中隊第1小隊第1分隊(★1)SPW×2(おそらくSd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車))

先遣中隊
 SS第2装甲擲弾兵連隊第10中隊(★2)+迫撃砲小隊(SPW×4)(迫撃砲は、牽引か?)
 SS第1戦車連隊第9(工兵)中隊第1小隊第2分隊(★1)SPW×2(おそらくSd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車))
 SS第2装甲擲弾兵連隊第12(重装備)中隊第1(カノン砲)小隊(★3)

本部 ※2
 パンター指揮戦車(SS第1戦車連隊本部)パイパー
 パンター指揮戦車(SS第1戦車連隊第1大隊本部より連隊本部)
 パンター指揮戦車(SS第1戦車連隊第1大隊本部)
 SPW×2 SS第1戦車連隊第1大隊通信小隊
 SPW×4 SS第2装甲擲弾兵連隊第3大隊本部、通信小隊

SS第1戦車連隊
 第1中隊
  パンター×15(2台は、装甲先遣隊へ)
 第2中隊
  パンター×17
 第6中隊
  IV号戦車×13(4台は、装甲先遣隊へ)
 第7中隊
  IV号戦車×16(1台は、装甲先遣隊へ)
 第9(工兵)中隊 ※3
  中隊本部
   Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1
  第1小隊(★1)第1分隊は、装甲先遣隊へ、第2分隊は、先遣中隊へ配備
   Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×6+2
  第2小隊
   Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×6
  第3小隊
   トラック?
  メンテナンス隊
 第10中隊 ※4
  対空戦車×4(オストヴィント?)
  メーベルヴァーゲン×2
  ウィルベルヴィント×2
 第10中隊 ※4
  対空戦車×4(オストヴィント?)
  メーベルヴァーゲン×2

SS第2装甲擲弾兵連隊第3大隊
 大隊本部
  Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×2
  Sd.Kfz.251/8(装甲患者輸送車)×1
 第9中隊
  中隊本部
   Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1
  第1小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   第1分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   第2分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   第3分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
  第2小隊 欠
  第3小隊
   第1小隊と同じ
  第4(重火器)小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   重機関銃隊
    Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×2
    重機関銃チーム×2
   迫撃砲分隊
    Sd.Kfz.251/2(装甲兵員輸送車迫撃砲搭載車)×2
   カノン砲分隊
    Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×2
 第10中隊(先遣中隊へ割り当て)★2
  中隊本部
   Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1
  第1小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   第1分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   第2分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   第3分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
  第2小隊
   第1小隊と同じ
  第3小隊 欠
  第4(重火器)小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   重機関銃隊
    Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×2
    重機関銃チーム×2
   迫撃砲分隊
    Sd.Kfz.251/2(装甲兵員輸送車迫撃砲搭載車)×2
   カノン砲分隊
    Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×2
 第11中隊
  中隊本部
   Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1
  第1小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×1
   第1分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   第2分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   第3分隊
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
  第2小隊 ※5
   第1小隊と同じ
  第3小隊 欠
  第4(重火器)小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×1
   重機関銃隊
    Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×2
    重機関銃チーム×2
   迫撃砲分隊
    Sd.Kfz.251/2(装甲兵員輸送車迫撃砲搭載車)×2
   カノン砲分隊
    Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×2
 第12(重装備)中隊
  中隊本部
   Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1 ※6
  第1(カノン砲)小隊(先遣中隊へ割り当て)★3
   Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×6
  第2(カノン砲)小隊
   Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×6
  対空小隊
   Sd.Kfz.251/17(20mm対空砲装備車)×3
   Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×3
   Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×1
  重迫撃砲小隊
   小隊本部
    Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×1
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)+牽引120mm迫撃砲×4
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×1(弾薬輸送用あるいはロケットランチャー装備か?)
 第13(自走砲兵)中隊
  グリレ(K型)×6
  SPW×3

SS第2装甲擲弾兵連隊第2大隊 ※7
 第5中隊
 第6中隊
 第7中隊
 第8中隊
  第1小隊
   7.5cmPak(牽引)×3
  第2小隊
   8cm迫撃砲×6(Sd.Kfz.251/2(装甲兵員輸送車迫撃砲搭載車)か?)
  第3小隊
   12cm迫撃砲(牽引)×4
  第4小隊
   パンツァーシュレッケ×12

SS第1装甲工兵大隊第3中隊 ※8
 中隊本部
  Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1
 第1小隊
  Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×1
  Sd.Kfz.251/7(装甲工兵車)×6
 第2小隊
  Sd.Kfz.251/21(3連装対空機関砲装備車)×2
  Sd.Kfz.251/7(装甲工兵車)×5
 第3小隊 ※9
  トラック×?
  迫撃砲分隊
 第4小隊
  トラック×?

SS第501重戦車大隊 ※10
 大隊本部 ティーガーII×3
  第1中隊 ティーガーII×14
  第2中隊 ティーガーII×14
  第3中隊 ティーガーII×14

空軍第84突撃高射砲大隊(第84軽高射砲突撃大隊) ※11
 第1中隊 ※12
  3.7cm対空砲×9
  (牽引(オペル・トラックか?)、Sd.Kfz.6/2、Sd.Kfz.7/2、トラックに搭載(ダイムラー・ベンツL4500Aか?))
 第2中隊 ※13
  単装2cm対空砲×9
  四連装2cm対空砲×3
  (米軍の報告書では自走化されていた。Sd.Kfz.7/1、Sd.Kfz.10/5、トラック(ダイムラー・ベンツL4500Aか?)を使用していたか?)
 第3中隊 ※14
  第2中隊と同じ

SS第1装甲砲兵連隊第1大隊 ※15
 大隊本部
  IV号観測戦車×1
 第1中隊
  軽榴弾砲×6(自動車化)
 第2中隊
  軽榴弾砲×6(自動車化)
 第3中隊
  重榴弾砲×3(自動車化)
  フンメル×1

後方梯隊
 パンター×1 SS第1戦車連隊本部

第3降下猟兵師団第9降下歩兵連隊第1大隊 ※16

SS第1装甲偵察大隊(クニッテル戦闘団) ※17
 大隊本部
  ダッジ4×4コマンドカー×1(米軍鹵獲車輛)
  Sd.Kfz.261×1
  大隊付
   ジープ×1(米軍鹵獲車輛)
   Sd.Kfz.223×1
  Ordonnanzoffizier?
   ジープ×1(米軍鹵獲車輛)
   Sd.Kfz.223×1
  バイク部隊
  総統バイク隊?
   バイク×2
   ケッテンクラート×2
  救急部隊
   Sd.Kfz.251/8(装甲患者輸送車)×1
   救急車×1
 第1(装甲斥候)中隊
  中隊本部(車輛は?)
  第1装甲偵察車小隊
   Sd.Kfz.234/2×8
  第2装甲偵察車小隊
   Sd.Kfz.234/1×5
   Sd.Kfz.234/3×3
  第3自動車化ライフル小隊
   シュヴィムヴァーゲン×12
 第2偵察中隊
  中隊本部
   Sd.Kfz.250/3(無線指揮装甲車)×2
  第1小隊
   Sd.Kfz.250/5(装甲観測車)×1
   Sd.Kfz.250/1(軽装甲兵員輸送車)×6
  第2小隊
   第1小隊と同じ
  第3小隊
   第1小隊と同じ
  カノン砲分隊
   Sd.Kfz.250/8(7.5cmカノン砲搭載車)×2
  迫撃砲分隊
   Sd.Kfz.250/7(8cm迫撃砲搭載車)×2
  本部からの分遣
   装甲偵察車隊
    Sd.Kfz.250/5(装甲観測車)×1
    Sd.Kfz.250/5(装甲観測車、2cm対空砲牽引?)×2
   装甲歩兵小隊
    Sd.Kfz.250/5(装甲観測車)×3
    Sd.Kfz.250/5(装甲観測車、2cm対空砲牽引?)×3
   重(火器)小隊
    Sd.Kfz.250/5(装甲観測車)×1
    カノン砲分隊
     Sd.Kfz.250/8(7.5cmカノン砲搭載車)×2
    迫撃砲分隊
     Sd.Kfz.250/7(8cm迫撃砲搭載車)×2
    対空分隊
     Sd.Kfz.250/5(装甲観測車、2cm対空砲牽引?)×2
 第3偵察中隊
  中隊本部
   シュヴィムヴァーゲン×3
   軽無線隊
    シュヴィムヴァーゲン×1
  第1小隊
   小隊本部
    シュヴィムヴァーゲン×3
   3個分隊(各隊にシュヴィムヴァーゲン×3)
    シュヴィムヴァーゲン×9
  第2小隊
   第1小隊と同じ
  第3小隊
   第1小隊と同じ
  第4小隊
   バイクのみ?
 第4(重火器)中隊
  中隊本部
   Sd.Kfz.251/3(装甲無線車)×1
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×1
  カノン砲小隊
   Sd.Kfz.251/9(装甲兵員輸送車7.5cmカノン砲搭載車)×6
  迫撃砲小隊
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3
   Sd.Kfz.251/2(装甲兵員輸送車迫撃砲搭載車)×2
   8cm迫撃砲×2(Sd.Kfz.251/2に搭載分のことか?)
   12cm迫撃砲×2(Sd.Kfz.251/1が牽引か?)
  対戦車小隊
   Sd.Kfz.251/1(装甲兵員輸送車)×3    7.5cmIG37×3(Sd.Kfz.251/1が牽引か?)
  歩兵砲小隊
   le.IG37×2
   s.IG33×2
   (牽引は、Sd.Kfz.6)


※1 各隊には、すべての隊ではないがバイク、シュヴィムヴァーゲン、乗用車(シュタイヤー等)などの軽車両も配備されていたと思われる。
※2 Sd.Kfz.251/8(装甲患者輸送車)が何台か配属されていたかも?
※3 1944年12月時点では、SS第1戦車連隊第9(工兵)中隊には、Sd.Kfz.251/7(装甲工兵車)は配備されていなかったようで、またすべて装甲化されてなかったよう
※4 SS第1戦車連隊第10中隊は、2個分隊ずつに分けられていた
※5 第10中隊へ配備されていたよう
※6 Sd.Kfz.251/11(電話線敷設車)であったという証言あり
※7 12/19増援部隊として合流。詳細は?
※8 第3小隊と第4小隊の主たる任務として、SS第501重戦車大隊に随伴して地雷除去や架橋と橋の補修にあった
※9 第3小隊には迫撃砲分隊も含まれていた
※10 パイパーの証言では、20台位のティーガーIIが配属されてたとあるが、実際は、追いついていなかったというのが事実のよう
※11 各中隊は、4個小隊ずつあった。また、3.7cm対空砲を装備していたのが第3中隊で、第1、第2中隊が2cm対空砲装備だったという説もあり
※12 第1中隊は、スタブローの西約30キロの地点で接触を断ち、それ以降、戦闘団に追いつくことはなかった。その一部は12/18の午後にロドメッツにおけるクニッテル戦闘団への航空攻撃の間に壊滅している。
※13 第2中隊の2個小隊がラグレーズの地域に到達(米軍の報告書による)。うち一つの小隊が四連装2cm対空砲装備
※14 第3中隊は、ラグレーズに単装2cm対空砲3個小隊を到達させるのに成功したかもしれない(四連装はない)。1台のSd.Kfz.7/1と3台のSd.Kfz.10/5、5門の単装2cm対空砲がラグレーズで見つかっている
※15 "DUEL IN THE MIST"Vol.1の記述による。しかしながら、12/20ピエステにて米軍と遭遇して全滅したSS第1装甲砲兵連隊第1大隊と思われるコンボイが下記のような編成(米軍記録による)をしていた。

 乗用車×2
 ハーフトラック×5
 フンメル×1
 索引車×3(150mm砲×1、75mm対戦車砲×2)

また、12/21シャヌー(CHENEUX)付近の戦闘でL4500Rマウルティーアに牽引されたle.FH18/40(10.5cm軽榴弾砲)が写真として残っているが、le.FH18/40がクニッテル戦闘団に配備されていたという書籍もある。

※16 12/16パイパー戦闘団指揮下に加えられるが翌17日には原隊へ復帰している。しかし1個中隊が最後まで残った。
※17 工兵小隊としてSd.Kfz.251/7(装甲工兵車)×7も含まれていたよう