「大渋滞」

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[設定状況] 雪と泥濘のために道は限られ、第6戦車軍のSS第1戦車師団、第12国民擲弾兵師団、第3降下猟兵師団の雑多な車輌が狭い進撃路に溢れかえり大渋滞を引き起こす。前進は始まったばかりであるのに、貴重な時間が失われていく。

1.全景

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[コメント] 97年9月頃作成。ベースは1、2作目と同じくベニヤ板と角材で自作しました。今回は渋滞しているシーンなので出来るだけ多くの車輌を配備しました。これくらいのベースでは、このように渋滞のようなシーンでないと大型車輌を4台も置くのは無理だと思います。ディオラマを前から見ると仮定して、この4台の配置は一番悩んだところです。ヤークト・パンターは、車体の大きさから間違いなく後列です。ところが、長砲身のため進行方向の前列すなわち左側に置くと、ベースからはみ出すか、はみ出さないようにすると空き空間が出来てしまいます。そのため、後列右に決定。プーマは、砲身があるのでバランスから見て前列左がいいように思われますが、前後列のいずれでも左側だとヤークト・パンターと同じ問題があるため、前列右に決定。残りのフラック・ザウリアとマウルティアですが、大きさから言うとマウルティアが前列なのですが、そうすると後列に比べて前列に大きな空間が出来てしまいます。その上、スペースの制限からもマウルティアが後列、フラック・ザウリアが前列になってしまいました。このためマウルティアが一番見辛くなっています。ベースの作りは、前2作とほとんど同じですので細部は省力しますが、とんでもない失敗がありました。それは、後述。

2.ヤークト・パンター (タミヤ MM203)

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[コメント] ディティールアップは、タミヤのエッチングパーツのみです。ダークグリーンをベースにしてその上からレッドブラウンとダークイエローでエアーブラシしています。タミヤの組み立て説明書にも大戦後期の車輌はダークグリーンをベースにしていたという話が載っており、そのようにしてみました。重戦車の場合、これは結構いけると思いますが、いかがでしょうか。砲身基部の防循の表面はもう少しザラつかせた方がいいような気がします。側面のワイヤーは、前回のパンターで使用したのと同じ真鋳棒です。

3.オペル・マウルティア42式ロケット砲搭載型 (イタレリ 277)

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[コメント] この車輌は個人的には好きなんですが、このモデルは大変苦労しました。ショーモデリングのエッチングパーツでディティールアップしましたが、問題はリベットで余りにも貧弱です。車体接合後に少しヤスリがけした後に気が付くと、何ヶ所かリベットが消えていました。PanzerFile'95〜'96(大日本絵画刊)に紹介されていたこのモデルがかなり大きなリベットになっていたのでそれを参考にすべてのリベットを付け替えました。方法は、以前雑誌(たぶんホビージャパン)に載っていた方法で、伸ばしランナー(途中でランナーを出来るだけ均一に伸ばすの面倒になって、今回は、エバーグリーン社のItem No.219を使用)をひたすら細かく切って、それを本体にピンセットで接着します。そして、その後で線香を近づけると丸くリベットのようになります。(他にもっと簡単な方法があれば教えてください)この作業のためこのモデルの制作時間が最長でした。

4.8輪重装甲車プーマ (イタレリ 202)

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[コメント] このモデルは1作目のタミヤの4号戦車と同じく15年以上前に買っておいたものですが、現在も発売されています。最近になって、プーマ用のエッチングパーツがあるのを知りましたが、このモデルは全くのストレートに組んでいます。それでも結構見栄えがするのでロングセラーなのは納得できます。標準パーツのジェリ缶は、少し小さいような気がします。

5.フラック・ザウリア (タミヤ MM144)

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[コメント] すでにカタログ落ちしていますが、再版があったので購入し作成しました。全くのストレートに組んでいます。車体前部のポールは異様な太さなので大失敗です。塗装は、手抜き冬季迷彩ですが、ダークイエローでドライブラシしてみました。

6.キューベルヴァーゲン (ハセガワ 87993)

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[コメント] タミヤの最新作が出ていますが、その以前に買ったものです。ハセガワの製品には最初からエッチングパーツが付属しています。これを書いている時点でタミヤのを未だ買ってもいないのですが、写真を見る限り、幌部分はエッチングパーツの差でハセガワの方が勝っているような気がしますが、いかかがでしょう。フロントグラスは、ワイパー跡に切った紙を張って、非常に薄めたダークアースを吹いてます。このモデルは、タイプ82ワッフェンSSなんですが、箱の側面の作例でドアの開閉の向きが間違っています。

7.ツェンダップKS750 (タミヤ MM23)

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[コメント] これも古いモデルです。ショーモデリングからエッチングパーツが出てますけど、この時点で本体が500円(それで、BMWとツェンダップの2台入り)なのにエッチングパーツが1台分で1200円。迷った末に止めました。それでも、このモデルはストレートだと余りにも味気がないので、箱絵を参照して真鍮線でディティールアップしました。箱絵というのは、結構ディティールアップの参照になるものです。

8.フィギュア

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[コメント] フィギュアは、タミヤおよびドラゴンを改造しています。キューベルヴァーゲンの運転手は、タミヤの251/1 D型に付属していたものです。251/1 D型に乗せるとほとんど見えなくなるのですが、ポーズ的にいいので見える部分に配置すると利用価値が大きいと思います。一番左の画像で右から2番目の両手を腰にしているフィギュアですが、眼鏡をしてるのがわかるでしょうか?これは、ショーモデリングのパーツなんですが、非常に面白いと思います。残念ながら絶版なんですけど、もし売っているの見つけたら買っておくといいと思います。

9.今回の失敗&ウソ

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[コメント] さて今回の失敗は、相変わらずの粘土の収縮です。「アーチスタフォルモ」は全2作の教訓があるにも関わらず、またまたやってしまいました。発泡スチロールの板を敷いてその上に粘土を盛ったのですが、なんとスチロールごと縮んでしまいました。「アーチスタフォルモ」の収縮率恐るべし・・・。今回のウソは、果たしてこのディオラマに登場させたバルジの戦いにすべて参加していたかどうか、もし参加していたとしても果たして、SS第1戦車師団、第12国民擲弾兵師団、第3降下猟兵師団に配備されていたかどうかわかりません。まず、参加していたかどうかですか、フラック・ザウリア以外はすべて参加していたとする資料が見つかりました。配備状況ですが、第12国民擲弾兵師団には、わずか6輌の突撃砲(種類がわからない)しか配備されておらず、第3降下猟兵師団にいたっては、1輌も突撃砲を所有していなかったようです。そうなるとすべてSS第1戦車師団ということになりますが、第6戦車軍直属の部隊があり、国民ロケット砲旅団にマウルティアが、第519重駆逐戦車大隊にヤークト・パンターが配備されていました。(もっとも、これらの部隊が同じ場所で渋滞に巻き込まれたという確証はありませんが)プーマは、果たして第6戦車軍に配備されていたかどうか良く分かりません。フラック・ザウリアは、パイパー戦闘団に配属された国防軍第84高射砲大隊という設定で登場させたのですが、ここで今回のディオラマの最大の手抜きがあります。実は、部隊マークを全然付けていません。戦術マークはつけたのですが、第12国民擲弾兵師団、国民ロケット砲旅団(第4、第9、第17)、第519重駆逐戦車大隊、第84高射砲大隊の部隊マークがわかりませんでした。もしわかるような資料があれば、どなたか教えてください。